ウチアケ後

※ 『君には敵わない』おまけ→ウチアケ話ダイジェスト→その後TRIGGERはアイナナ寮に泊まるこに→二人っきりになってからの会話をそれぞれのCPで書いています。
※ ほぼ会話文のみ
※ 71、23、45、98、も含まれています
※ TRIGGERはアイナナ寮に泊まることになり、それぞれのCPで部屋分け


 

ウチアケバナシの会場にて
(ダイジェスト)

4「俺も。そーちゃんとお付き合いシテマス」
5「たっ、環くん!?」
全員「知ってた」

2「実は俺とミツも、付き合ってて――」
全員「知ってた」
10「えっ!?」
(気づいていなかったのは龍のみ)

8「俺も天と付き合ってる」
9「ちょっと……!」
全員「なんとくそんな気がしてた」
7「ええっ!?」
(気づいていなかったのは陸のみ)


1「……なんです。私たちはそういうんじゃないですから!
  そもそもみなさんもアイドルなんですから、やるならもっとうまくやってください!」
4「外では気をつけてんよ。そーちゃんなんか気にし過ぎなくらい」
5「わりと、隠せていたと思ったんだけど……」
4「この間、肩に手をかけただけでテンパって肘鉄してきたのは?」
5「あれは、つい……ごめんね」
3「あの的確に鳩尾狙ったやつか!」
4「めっちゃ痛かった」
2「仕事に支障が出なくてよかったよな」
5「うう……」


3「まあ、おまえらにはバレてもいいかなって」
2「このままずっと隠し通せるとは思わなかったしな」
1「気づいていたとはいえ、複雑です……」
7「一織は三月のこと大好きだもんな……オレのことお兄ちゃんって思っていいからな!」
1「いやですよ」
7「なんでだよ。オレ、一織より年上なんだし、お兄ちゃんだろ?」
1「私には兄さんだけで十分です。面倒が必要な兄はいりません」
7「なっ、なんだよそれ! 人がせっかく慰めようとしてやってるのに……かわいくない!」
1「かわいくなくて結構です」
3「こんなところで喧嘩すんな!」


8「全員正直に話してるのに、俺たちだけ隠してるのも悪いしな」
9「悪いとかそういう問題じゃないでしょ」
10「もしかしたらそうなんじゃないかな、とは思ってたんだ。二人が言ってくれるのを待ってたから、今日は話してもらえてよかったよ!」
9「龍……」
8「まさかおまえが気づいてるとはおもわなかったな」
10「俺だってちゃんと二人のこと見てるんだから、当たり前だろ」
8「へえ。俺は気づかなかったけどな、おまえと六弥の関係」
9「ボクは気づいていたよ。随分浮かれていた時期があったし、よく六弥ナギの話題には食いついて来ていたしね。楽は龍への愛が足りないんじゃない」
8「はあ? 俺だって負けてねえよ。な、龍」
9「ボクのほうがいいでしょ、龍」
10「あはは、どっちも好きだよ!」
6「では、ワタシは?」
10「……えっ!?」


10「それにしても、みんなそうだったなんて知らなかったな。本当に驚いたよ」
6「みなさん隠す気はあまりないようでしたのに」
10「ナギくんはいつから気づいてたの?」
6「アニメ、コミックで恋トキメキを見てきたワタシからすれば、みなさんの行動なり、様子なりでわかってしまうものなのですよ。そんなものまで学べる偉大な文化です!」
10「そうなんだ! ナギくんは恋愛マスターだね」
6「まあ、実際のところ見てしまっただけですがね」
10「え?」
2「ちょっと待て見たってなにをだ!?」




23→45→71→98→106の順


23

「みんなにバレたってのに、案外ミツは平気そうだな。もっと荒れるかと思ってたよ」
「そりゃ、あいつらには結構見られてたし、多分知ってんだろなって諦めてたからだよ」
「……マジで?」
「あんたが二日酔いになるくらい酔って帰ってくる日は、説教臭くなるか、甘えたがひどくなるって自覚ないもんなー。あいつらにただいまのちゅーかまそうとして全力で拒否られてんのも忘れるくらいだし」
「……俺そんなことしてるわけ?」
 三月は肩を竦めるだけで、大和は苦虫をかみつぶしたように顔を歪めて片手で頭を押さえる。
「みんな優しいやつらばっかでよかったな。あんたが疲れてるだろうからって我慢して、次の日も黙っててくれてんの。一織なんか、この間延々と頭撫でられ続けてたぜ」
「もしかして、イチのやつがやたら俺にだけ冷たかった日があったのって……」
「オレも人のこと言えないけどさ、酒はのんでものまれるなってやつだな」
「……てことは、それでミツに甘えているのを見られたってわけか?」
「ミツ~洗い物なんてしてないでお兄さんを構いなさいよ。二日ぶりだろ~……なんて目の前でやればそりゃバレるよな?」
「あー……しばらく酒はセーブするわ」
「これから一織の目も厳しくなるだろうからな。ま、頑張れよ、大和さん」

 

 

45

「そーちゃん、ショックだった?」
「え?」
「だって、リュウ兄貴のこと大好きじゃん」
「そうだな……アイドルの十さんだけしか知らなかったら、ちょっとショックだったかも。でも、今なら十さんのこと沢山知ってるから。よかったなって思うよ。二人とも幸せそうだったし、それならいいよ」
「ふーん……そーちゃん」
「なに?」
「そーちゃんのこと、すげえ好きだよ。あれ、えっと……張り紙……? はり……」
「……張り型?」
「そうそれ。くれって言われたときはさすがに引いたけどな」
「それは……あの時は、ああするのが最善だと思って」
「……実はまだほしいとか、思ってる?」
「……」
「……俺いるのに」
「ご、ごめん」

 

 

71

「……なんですか」
「オレたち、そういうんじゃないんだ?」
「それは……」
「それは? オレは、みんなが誰かと付き合ってるのと同じように、一織と付き合ってるんだって思ってたけど?」
「……先程のものは言葉のあやです。咄嗟に否定してしまったことは謝りますが、そうでなかったとしても誤魔化していましたよ。私たちは私たちなりに進んでいけばいいじゃないですか。それに、まだ時期じゃないと思っただけです」
「一織が恥ずかしいから?」
「……ええ、そうですよ。
 これだけの恋愛事情を抱えたみなさんの話を聞いた後で、今更伝えることが、拒絶が怖いだなんて言うつもりはありません。ただ、万が一話がこじれてあなたの負担になることが起きるのは嫌ですから。今回はなんの準備も対策も用意していませんでしたしね。あの方たちなら、伝えるのはいつだって大丈夫ですよ」
「……一織ってば、オレのこと大好きだったりする?」
「……っ」
「きょ、今日こそちゃんと入るか挑戦してみる!?」
「し、しませんよ! この間も失敗したばかりじゃないですか!」
「でもなんか今日はいけそうな気がする!」
「そんな気しませんよ! みなさんそれぞれ部屋にいらっしゃるんですよ!? 準備だってなにもしていないじゃないですか!」
「でも……一織の顔見てたら、むらむらしちゃったんだけど」
「なっ――」

 

 

89

「信じられない、陸の前で言うなんて。この酔っ払い」
「俺はすっきりしたけどな。いいじゃねえか。それぞれうまくやってるってわかったし、あんだけ打ち明けあったんだなら俺たちだけこそこそ隠すのも卑怯だろ」
「卑怯とかそういう問題じゃないって言ったでしょう。単細胞」
「悪かったな」

 拗ねる楽は、ベッドに横になって天に背を向ける。

「――少し、羨ましかったんだよ。六弥のことを自慢する龍のやつが。いつも以上にしまりのない顔して幸せそうで」
「…………」
「この機会を逃したら、多分もう俺たちのことを言えるタイミングなんてないんだと思ったんだ。――悪かったな。勝手にしゃべって」

 天は横になり、楽の背中に額を合わせる

「それぞれ、言うべきでなかったとボクは思う。秘密を共有する人が多いほど、リスクも高まるからね。
 ――でも、みんなに言えて、少しだけ……よかったなとも思った。本当に少しだけどね」
「ちょっとでも思えたんなら、それでいいんじゃないか。
 おまえがそこから動かないって言うんなら、俺が連れ出してやるから安心しろよ」
「……馬鹿」

 体を反転させた楽に抱きしめられながら、天は目を閉じた。

 

 

106

「もっと詰めてください! ベッドが狭いです!」
「あいたたっ」
「まったく。なぜアタナがワタシの部屋で寝るのですか」
「ちょっと他のところにお邪魔するのは忍びなくて……それに、今はナギくんといたいなって思って」
「浮かれているのですか?」
「そう。こんなんだから天にもすぐ気づかれちゃったのかもしれないけど、でもみんなに認めてもらえて、ナギくんは俺のなんだって宣言できて嬉しかったんだ」
「確かにお付き合いは認めましたが、アナタの所有物になった覚えはありませんよ。ワタシはワタシのものです」
「そうなんだけどね。なんて言えばいいか……ニュアンスって難しいな。所有物じゃなくて、恋人だって言えてよかったなって。これからは遠慮せずに堂々と会いに行っていいんだって思ったら、毎日が楽しくなりそうだなって」
「遠慮はしてください」
「浮かれすぎて怒らせないよう気をつけるよ」
「Hm……そんな締まりのない顔を見せられても安心できませんね。みんなに知られたとしても、ワタシたちの関係はあまり変わりませんよ。茶化されたり、物言いたげなヤマトの眼差しを受けるのはワタシなのですから」
「そうか……そうだよね。ナギくんが困るのは、俺も嫌だな」

 しゅんとしょげる龍之介を見たナギは、くすりと笑う。

「――ですが、そうですね。二人きりのベッドの中でなら歓迎いたしましょう」
「へ?」

 腕を首に絡めて、鼻先が触れ合いそうなほど近くから龍之介の瞳を覗き込む。

「気持ちのよいことは好きですよ?」
「……きょ、今日はしないって……」
「イイコトは、内緒でするものでしょう?」

 2018.6.29

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