切り分けられた果実の包み焼きを前に、直人はガルディアスから勧められる前に『いただきます』、と手を合わせて食べ始めた。 じっと見つめるガルディアスの視線や、背後に控える護衛の騎士たちからの睨むような視線もあえて気づか…

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  同じ言葉の積み重ねに、ガルディアスはついに紙面から重たい頭を上げ、目の前に立つ老齢の男に向けた。 ようやくガルディアスが話を聞く気になったと受け取ったらしい臣下の男、ザルスウェルはわずかに声を弾ませる。 「…

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 本日の分の勉強を終え、いつものように道具を仕舞いに一度退室したセオリだったが、戻ってきたら空であるはずの彼の手には銀のトレイがあった。『いつも頑張っていらっしゃるナオトさまに贈り物です』 嬉しそうにしながらセオリが机に…

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 兵士たちに引きずられながら連れて行かれたのは、あの暗く湿った地下の牢屋ではなく、とある一室だった。衣装棚や寝台が置かれているだけの部屋は客人用に用意されたものなのか、宿泊できる最低限のものだけが揃っている。 直人を部屋…

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  空から男が落ちてきたあのとき、ガルディアスは確かに彼に目を奪われた。だが、容姿が天女のごとく美しかっただとか、色気ある眼差しに捕らわれただとか、色恋のような艶っぽい理由などではない。度肝を抜かれて目を逸らす…

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  あれから途中で何か布のようなものを被され、次に視界が開けた時には殺風景な部屋にいた。そこで男どもに服を下着ごと無理矢理に剥がれて、そして粗末な麻の貫頭衣を着るように強要をされたのだ。 全裸にされた羞恥と屈辱…

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この作品には多くの残酷的描写や、差別的表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 どこかで水がもれているのか、ぴちょんと音がする。日が差し込まない地下のせいか空気は淀んだ湿気を帯びており、こちらの気分まで湿っぽくなるよ…

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