騎士×平凡の話
水汲みのための桶をそれぞれ手と頭に持ち、一人と一匹は洗濯物を干していたトルクに振り返り軽く手を上げる。 「それじゃあ行ってきます」 同じく、行ってくるねとでも言うように、青年の隣の真っ黒なかたまりもぷるぷる震え…
続きを読む →水汲みのための桶をそれぞれ手と頭に持ち、一人と一匹は洗濯物を干していたトルクに振り返り軽く手を上げる。 「それじゃあ行ってきます」 同じく、行ってくるねとでも言うように、青年の隣の真っ黒なかたまりもぷるぷる震え…
続きを読む →※モブ視点 学校の中で、明らかに異質な男が一人いた。 同級生だけでなく、上級生にも、教師にさえも一目置かれているようなやつで、彼に気軽に声をかけるものはいなかった。 類まれなる美形で、かつ頭脳明晰、スポーツ万…
続きを読む →空いた窓から、グラウンドで部活動に励む生徒たちの声と夏日の生ぬるい風が届けられる。 そのせいではない苛立ちを感じながらレードゥは目の前の席に座る男を睨むが、彼が笑顔を崩すことはなかった。「というわけで、先生は来られない…
続きを読む →「ったく、あいつまたほっぽり歩きやがって。いつも巻き込まれるこっちの身にもなれってんだ……」 むっすりとした表情で独りごちりながら、ジィグンは廊下を突き進む。 八番隊の副隊長に泣きつかれたのはつい先ほどのこと。隊長の印が…
続きを読む →本日は天気も良いので、気分転換がてら外でお茶としましょう――そう宰相が言ったので、王さまは仕事の休息に中庭へとやって参りました。 いつものようにドランと向かいあって用意された机についたのですが、今王さまの目の前の席には…
続きを読む →