むっつりのレイストル

以前ムーンライトノベルズの方にてご感想くださった方から頂いたアイディアが一部含まれております。  灯された蝋燭の小さな明かりに照らされた二人は、寝台の上で重なりあい、互いに息を乱しながら身体を揺らす。もはやミヒ…

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 改めて互いの想いを確認し終えた頃にはすっかり日も暮れ、二人は工房裏からミヒトの部屋へと場所を移した。薔薇は途中で会った、すでに三本の同じ青い花を抱え嬉しそうに頬を染めていたイアに押しつけてある。 寝台の上に乗りこみ、ミ…

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 ゆっくりと瞼を持ち上げると、視界の先に夕暮れ色に染まろうとしている空が見えた。 どうやらあのまま眠ってしまったらしい。手の中にまだ瞳の宝玉があったことに安堵しながら、まずはそれから手を離す。掌に玉を握っていた痕が残って…

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 明け方近くになって瞳の宝玉はミヒトの体外へと排出された。 生まれて初めてのしかも同性との性行の後に、産卵まがいの異物をひねり出す作業は、初心者の身と精神にはいささか辛いものがあった。しかし必要なことであるからこそ、あの…

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 扉が叩かれる。 ミヒトが寝かせていた身体を起こすと、頭まで被っていた毛布がずり落ちて腰ほどで止まった。 するりと中から抜け出し扉へ向かい、取っ手を握る。 音が立たぬようそうっと押し開ければ、銀の髪を肩で結んだ、見知った…

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瞳の宝玉

 美しい花の園の中心で泣きじゃくる弟を抱えたレイストルは、人の身で在りながらもその場を浮遊し憤怒の表情を浮かべる女を睨んだ。 弟のレーアトルはもはや恐怖に言葉も紡げぬ有様で、必死に兄の身体にしがみつく。かたかたと震えてい…

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