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 セイミアが落ち着いた頃にジャスは眠るように気を失った。その身体を岳里に負ぶってもらい、おれは守りの剣ヴァイスの力を使ったために身体がふらついてしまうセイミアを支える。 ようやく準備が整ったところであらかじめ用意していた…

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 炎の剣の異名を持つ己の剣を振るいながら、レードゥはちらりと目の前の存在を視界に収めつつ第三の結界が張られる際へ視線をやる。するとそこから最上級の魔物が一体、結界をすり抜け内部へと入り込んでくるところだった。 それを確認…

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「おまえの感じた絶望を、おれたちは知った。その悲しみも、失われ難いはずの最愛の友を残酷に奪われた、その怒りももっともだと思う。おれとておまえと同じ立場であったならば、真司を惨く奪われたのならば。奪った者だけでなくこの世の…

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 「まあ、動ければの話だが」「……っ!?」 大きな音を立てて、二本の大剣は岳里の手から滑り落ちた。続いて岳里自身も膝をつき、床に手をつき辛うじてといった様子で身体を支える。でもその両腕もぶるぶると震え、今にも崩…

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  ようやく顔を前に向けると、面を食らったような表情で状況を見つめる。 岳里の身体の前に縦に構えられたシャトゥーシェを見て舌を打った。「なるほど、そういうわけか」 目を細めながら掲げられた剣を緑の目が睨む。それ…

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「――あっちからもうようよと来ているぞ。どうやら、予想よりはるかな量を差し向けてきたらしいな」 顔には笑みを浮かばせながらも余裕は一切窺えない声音をするヴィルの言葉に今度は反対に目を向ければ、確かに同じように黒いものが何…

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  他のみんなは国の守りに精一杯だ。その中で動ける人は限られるし、エイリアスのもとに行く以上並みの隊員を多く連れて行っても無駄に被害が多くなるだけで。かといって隊長たちを連れて行くこともできない。守りのことに関…

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 何故かジャンアフィスはよく実験の途中経過の最中で爆発を起こした。それによって実験器具の破損で怪我をすることは多々あり、そう酷い怪我にならないまでも治癒術によく世話になる。そして他には不摂生が祟った上で倒れた彼の看病もよ…

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  解散する手前でディザイアにエイリアスの攻撃を防ぐ手段について聞いてみたけど、ただにやにやされるだけで結局は教えてもらえなかった。 でも心配するな、と言われ、おれたちはその言葉を信じ深く追及はしないことにした…

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  十五さんがいるからとりゅうを部屋に残し、おれと岳里で王さまたちを呼びにいった。 王さまとアロゥさんは執務室にいて、ディザイアも部屋で眠っていたところを起こし、兄ちゃんの部屋に来てもらうようそれぞれにお願いす…

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