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フェリクスと春一は男同士なので、罷り間違っても子どもはできない。それに想いは固く、別れることにはならないので、身持ちの価値云々は考えなくてもいいだろう。だが一般的には婚約とは男女の者で、結婚するまでは引き返せないよう…
続きを読む →フェリクスと春一は男同士なので、罷り間違っても子どもはできない。それに想いは固く、別れることにはならないので、身持ちの価値云々は考えなくてもいいだろう。だが一般的には婚約とは男女の者で、結婚するまでは引き返せないよう…
続きを読む →「セオドアさん、質問してもいいですか?」 いつもは読書を楽しんでいる時間をしばらくぼうっと過ごしていた春一は、思い切って声を上げた。 唐突だったはずなのに、まるで見計らったようにお茶を淹れ終わったセオドアは、…
続きを読む →春一誘拐騒動が内密に処理された日から十日後、異世界への転移魔法を実行する日がやってきた。 魔法研究所の一角で行われることになったが、世界でも類を見ない希少な魔法を見学に、関係者の他に何人かの魔法使いも見に来ている。 …
続きを読む →今度は途中で逃げ出さない。その意思を伝えるためにも、フェリクスに穏やかに問いかける。「私は、ただ……もう一度あなたに会いたかった」「おれに?」「……この魔道具は目印なんです。春一が元の世界に帰っても、これに宿した魔力…
続きを読む →フェリクスの部屋に行き、二人は長椅子に腰を下ろした。 ここまでの道中はずっと無言で、気まずい沈黙を感じていた。フェリクスからはぴりぴりとした気配を感じていて、彼が神経質になっていることがよくわかる。 それだけ、突然姿…
続きを読む →事情を聞いたフェリクスはアジールを見るや、すぐに春一と同じ判断を下した。「彼は魔力欠乏症です」「そんな。でも、医者は確かに……」「魔力過多症の症状のひとつは発熱です。けれど彼は低体温となっていることからも明らかです」…
続きを読む →一瞬の浮遊感ののち景色は変わり、とある一室に場所が移される。 どうやら転移の魔道具が使われたことはすぐに理解できた。だが場所を移した先で目にした光景に、春一は困惑する。 ナーシル王子を筆頭に、シャティフル国の使節団の…
続きを読む →「うわああん!」 子どもたちの学び舎としている一室に、少年の泣き声が響き渡った。 どうやら配ぜん中に別の子どもとぶつかり、お互いに食事をひっくり返してしまったようだ。それでぶつかってしまった子がパニックを起こしてしまっ…
続きを読む →頼まれていた本を部屋に持ち帰り、フェリクスにナーシルとのことを報告した。「シャティフルの王族に魔力過多症がいるとの報告は受けていませんね」 やはりフェリクスも知らなかったようだ。改めて情報を集めることを決め、さっそく侍…
続きを読む →「――あの、セオドアさん。話をしてもいいですか」「もちろんです」「できればその、フェリクスには秘密にしていただきたくて……」「私には報告義務がありますので」 春一がナージルに説明したとおりだ。セオドアは春一についている…
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