遥斗と悠雅

 

運命の赤い糸を昔から見ることができる遥人は、いつか自分の指にも繋がる運命の人を探すことを夢見ていた。ある登校中、道を歩いていると突然男に抱きつかれる。ようやく見つけたと騒ぐ男から逃げ出した遥人だったが、その相手は遥人のクラスに転入してきた。

出会い頭に遥人を運命の人だと呼び、抱きつこうとするので必死に抵抗するなか、彼の言葉通り自分達が赤い糸で繋がっていることに気づいてしまう。可愛いお嫁さんをもらうことを夢見ていた遥人は運命の相手の悠雅を拒絶。しかしめげない悠雅は全力でアプローチをつづける。
悠雅に付きまとわれているうちに、不可解なことが繰り返し起こった。悠雅が抱きついてきて動きが鈍くなったところへ目の前に落下物が落ちたり、悠雅のテストの山がドンピシャ大当たりしたり、遥人の家の夕飯を当てたり。時々遥人が教えていないことも知っていたりするので、一時は本気でストーカーを疑うも、ひたむきな悠雅に徐々に絆されていく。

ある日悠雅ひどい風邪をひいて学校を休んだが、電話が入り、絶対にまっすぐ家に帰るようにと指示を受ける。鼻で笑い飛ばそうと思った遥人だが、ひどくつらそうなのに電話をかけてきて、そのうえ普段の楽観的な態度でもなかったので不本意ながら言うことを聞こうとする。しかし急遽放課後に先生から手伝いを頼まれ残ることに。

帰りは遅くなり、真っ直ぐ帰ろうとした遥人だったが帰路の途中で通り魔に教われる。包丁を振り回す通り魔から逃げ出すも足をもつれさせ転んでしまう。もうだめだと思ったとき、悠雅が現れ通り魔を撃退。しかし刺されたうえにひどい熱があり、すぐに病院に運ばれることに。
一時は危険な状態であったものの、一命を取り留めた悠雅は遥人にすべてを語る。

自分は予知夢を見ることができて、通り魔に襲われ亡くなるはずだった遥人を守りにきたのだと。そして、夢の中の遥人から赤い糸が見える能力者とも聞いていて、自分達が運命の赤い糸で結ばれていることも知っていた。
甘い夢も昔からたくさん見ていたので、遥人と初めて会ったとき、つい喜びのあまり夢の調子で触れてしまった。予知夢は見てもそれがいつ起こるかは判断つかないので、同じ高校に転入してきたのだと、守れてよかったと語る。

それまでの悠雅の言動をようやく理解した遥人は、とっくに悠雅にひかれていたことと、彼こそが自分の運命の相手なのだと認めて、晴れて二人は恋人になることに。

つれなくされても悠雅が諦めなかったのは遥人を守るため。脈は感じつつも、自分との関係を悲観している彼を見て、守りきれたあかつきにはそのことを誇りに去るつもりだった。ヴィルが猪突猛進なのはこの頃から。

ヴィルは生まれ変わる度に様々な武器を極め、多種の武器を身に付けていました。それは岳里に一部引き継がれ、真司とのペアリングに小さな石として嵌め込まれています。ナイフや盾など小さな武器や身を守るためのものはすべて真司が預かり、必要に応じて岳里に渡したり真司が使用したりします。

ちなみに……Desireにわたっあとは悲しい結末を迎える二人ですが、実は一度も肌を重ねてませんでした。そのため二人の初めてのとき、ヴィルは本気で泣きます。

実はヴィルは悠雅であった頃に神から授かった大剣がありますが、それがいつしか意志を宿し人格を持つようになっていました。それも岳里たちに引き継がれ、役目を持つ二人のサポートをしてくれています。狸じいじみたいな剣で、よく岳里にちょっかい出しては無視されています。