案の定、というべきか。
 佐野の卒業を期に、教師と生徒の関係でなくなった二人は恋人としての交際を始めた。
 必ずしも順風満帆であったわけではないし、時には喧嘩をしたり、それぞれ仕事に学業にとすれ違ったりしたこともあった。それでもなんやかんやと乗り越え、ともに過ごし。
 今日で佐野が二十歳となる日までやってきた。
 いわゆるデートを終え、槇嶋の家へと向かう。道を歩く途中、終始二人は無言だった。
 やがてたどり着いたマンションの自宅前。槇嶋は懐から鍵を取り出すと、自ら鍵を開けるまえにそれを佐野に手渡す。

「おまえが開けろ。ただし、開けたらもうお互い待ったはなしだからな」
「そんなのわかってるよ」

 本当か。そう問いかけたくもなるいつもの軽い調子の声音で答えると、佐野は躊躇いもなく鍵穴へ鍵を差し込もうとした。しかし、うまく合わせられないのかもたついている。脇から手を重ね支えてやり、苦笑しながら鍵を入れるのを手伝ってやった。
 佐野は槇嶋の家にもう幾度となく訪れていることもあり、時には鍵を貸し先に中に入ってもらうこともあるため、今更単純なこの作業に手間取ることもないはずだ。
 ぼそりとありがと、という言葉が聞こえる。顔は俯きがちでよく見えなかったが、赤くなった耳がその見えない表情の予想に協力してくれていた。
 ようやく解錠を果たすと、佐野は扉を開け先に中に入る。槇嶋も後に続き、振り返りしっかりと扉を閉め鍵もかけ直したところで、突然伸びてきた佐野に胸元を捕まれ、強引に前に引き寄せられた。
 荒く重なった口元。唇の裏に歯が当たりその痛みに顔を顰めた。それは佐野も同じだろうに、目の前の顔は僅かに顔を歪めただけで軽く唇を吸ってくる。
 舌先が入りたそうに触れてくるため、槇嶋は自ら薄く口を開いて中へと招き込んだ。

「ん、ん」

 懸命に伸びてくる舌に応え絡んでやれば、佐野の腕が首に回される。だがそれを槇嶋がやんわりと解かした。追いかけてくる顔を抑えて口を離せば、不満げな佐野と目が合う。

「そんな顔するな。ここは玄関だぞ」
「……もう、待てねー。それに、待ったはなしって言っただろ」
「だからってここでってわけにはいかないだろ。ほら、上がれ。部屋行くぞ」

 まだ履いたままだった靴を脱ぎ捨て先に進めば、返事はなかったが佐野も遅れて後についてくる。
 槇嶋がリビングまで進み足を止めれば、佐野は真後ろで同じく足を止める。

「――せんせー」
「ん?」
「約束、守ってくれるんだろ?」

 振り返ればどこか不安げに顔を曇らす彼がいた。その姿は歳を重ね大人になったとしても、成長しても。高校生だった頃に重なる。
 あの時の自分たちがまさかこういう関係になろうとは、誰が思っただろう。それも相手は男だ。

「ああ。守るよ」

 槇嶋は思わず笑みながら頷き、佐野の頭を撫でる。

「もう子ども扱いすんな」
「これからはいくらでも大人扱いしてやるよ。なんたって二十歳だからな」
「せんせーってばおかたいんだもんな。本当に卒業までろくに触らせてもくれなかったし、せっかく付き合い出しても……」

 そのことに散々の文句が溜まっているのだろう。しかしこれからを考えてか、佐野は途中で口を噤んだ。
 佐野の高校卒業、正確には槇嶋がこだわり四月一日からだったが、二人は付き合い始めた。だがそれでもすぐに恋人らしい触れ合いはなかったのだ。
 すぐに口付けようとした佐野を止め、一か月は待たせた。もう少し深い触れあいはさらに時間をかけ、少しずつ慣らしていって。付き合い初めてから一年目でようやく、互いのものを重ね合わせての性的なことをした。だが、そこまでだった。
 佐野が求めていたのはそれ以上のものであったが、槇嶋がそれを許さなかったのだ。
 二十歳になるまで絶対にセックスはしない。それが、ひとつ目の条件を無事クリアした佐野に言い渡されたふたつ目の条件だった。
 初めに交わしたのは卒業した時お互い想い合っていれば付き合う、というもの。次に交わしたのは、二十歳になるまで関係を良好に保てていれば身体を重ねる、というものだ。
 佐野からは大いに不満があがった。これ以上待たせんのかふざけんな、と。しかし槇嶋とて考えがあるが故の、大人としての最後の責務を果たすための約束だったのだ。
 佐野の年齢のこともあるし、性別のこともあるし、今後のこともあった。高校生という場所から次に進み、今度は大学生となった彼の環境は大きく変化する。これまで高校という狭い枠の中から広い、より社会に近い場所へ出て、多くのものと新たに出会い触れ合い、そして学び。そうすれば佐野自身が大きく変わっていくだろう。そういうように自由になっていく彼の足枷になりたくはなかった。
 まだ若いうちは自分の未熟さから単に周りにいる大人に憧れ、それを恋と勘違いすることもあるだろう。まさに恋に恋をしているという場合もある。槇嶋自身、教師という立場でそういったものも目にしていた。
 生徒から告白されこっそりと付き合っていた教師がいたが、その人は生徒が大学へ進学してしばらく経ったある日に他に好きな人ができたからと振られてしまったということもあった。新たに進んだ場所が楽しいのだという言葉も添えられて。
 卒業し、進学かもしくは就職したその先で、新たな環境新たな出会いを経験していけば。あくまで保護の対象でしかない頃とは違い視野は広がっていく。そうすれば一時の気の迷いからも目を覚まし、本当に好きになった人を見つけるかもしれない。
 もしその時、足枷となってしまうものがあったら。佐野の未来をつぶす可能性を恐れているのは勿論だったが、それに自分がなってしまうのが、槇嶋は嫌だったのだ。
 保守的ではあるがどう取り繕ったところで我が身は可愛いものである。好き好んで傷ついていこうなどとは思わないし、慎重になってしまうのは当然。なにより佐野は男であり自分も男。進むところまで進んでいざ佐野自身が戻りたくてももう戻れない場所まで行ってしまえば、後々双方後悔することになるだろう。
 だから槇嶋は、佐野が二十歳になるこの日まで待ち続けてきたのだ。佐野自身が己の行動に責任を持たざるをえなくなるまで。槇嶋自身が踏ん切りをつけるために。
 ――という槇嶋の想いがあるが故のことで、それは佐野に幾度となく説明してきた。それでも最後の一線に踏み込んでほしい彼からしてみれば、不安は到底拭いきれなかったのだろう。

「せんせー、おれに興味なんてないのかと思ってた。やっぱ男の身体だし、無理なのかなって」
「そんなわけないだろ」
「だって、人が精一杯お誘いしようが目の前でケツの穴解そうが、手ぇ出してこなかったじゃん」
「当たり前だ。なんのためにおれが条件だしたと思ってるんだ」

 思わずため息がこぼれた。
 再び新たな条件を出したものの。佐野はそれには素直に従おうとはしなかった。いわゆる色仕掛けだとか本人なりに知恵を振り絞り、槇嶋をその気にさせようと迫ってきたものだ。
 突然目の前で自慰を始めたり、後ろを自分で解してみたり、半ば強引に槇嶋のものを舐めたり。
 幾度、流されそうになったことか。幾度押し倒してくる佐野を押し返し、押さえつけてその身体をむさぼろうとしたことか。出した溜め息は、これまでの自身の苦労を偲んでのことだった。
 それを知ってか知らずか。佐野は笑う。

「せんせーのそういうとこ、めんどくせーけど好きだよ」
「――おまえ、今日は本当に覚悟しとけよ」
「せんせーこそ。もう逃げらんねーからな」

 今度はどちらも小さく笑みながら、静かに唇を重ねた。

 

 


 寝室へ辿り着けばすぐに二人は上の服を脱ぎ捨て、寝台の上で身体を重ねながら互いの唇をむさぼり合う。
 佐野が仰向けになる槇嶋の上に乗り、すでに興奮し膨らんだ下半身を太腿に押し付けてきた。

「っ、は……せんせー」
「ちょっとは落ち着けって。がっつぎ過ぎだろ」
「しかたねーじゃん。早く、触れよ」

 言葉通り待てないというように、顔を起こした佐野は早速まだ崩していない槇嶋の下へと手を伸ばしベルトを外そうとする。それを止めるでもなく槇嶋も同じく手を伸ばし、佐野の胸へと触れた。
 ふくらみなどない平たい胸にある突起に両手でそれぞれ触れ、押しつぶすようにこねまわす。
 佐野は動きを止め、不思議そうに首を傾げた。

「……別に男だから、そんなとこ感じねーよ?」
「いいんだよ」
「やっぱせんせーおっぱい好きなの? おれの揉んだって巨乳なねーちゃんにはなんねーから」
「――あたりまえだろ」

 なったら怖いわ、と言ったら返す言葉を間違えたらしく、不機嫌顔になった佐野に慌てる。
 いつだったか。その日のずっと以前に買っていた巨乳特集のエロ本をこの家で佐野が見つけてしまったのは。槇嶋自身存在も忘れ適当に仕舞っておいたそれを、ふーんだの、へーだの、冷めた目で眺めた佐野。事情は説明し今はもう買っていないと言っても、それ以来、彼は時折ふと思い出したようにその話で槇嶋を責める。
 また巨乳のねーちゃんがいいんだろうと拗ねられてしまうかもしれない。このままではまずいと、一度胸の飾りから手を離し細めの腰を掴んで全身に力を入れた。
 身体を反転させ、乗っていた佐野を押し倒す形で今度は槇嶋が上になる。
 突然のことに驚き抗議しようとした口を自分の口で塞ぎ、再び先ほどの場所に手を伸ばした。そこをやんわりと揉みながら、一度顔を離し、今度は首筋に唇を落とす。
 舌先で肌を辿りながら鎖骨のさらに下までいき、服を着れば隠せる場所であるのを確認してそこに吸い付いた。
 確かに感じた痛みに佐野が自身の身体に目を向ければ、離れた槇嶋の口元があった場所に見つかる鬱血の痕。初めは驚いたように、次に小さな笑みを浮かべそれにそっと指先を這わす。

「――へへ、初めてせんせーにキスマークつけてもらった。なあ、おれもつけていい?」

 すっかり機嫌を直して愛おしげな眼差しをただの痕に向ける彼に、槇嶋は息を飲み、返答をすることなく今度は右の乳首に躊躇いなく吸いついた。

「っ、わ」

 初めての感覚からか、佐野からは戸惑いの声が上がる。咄嗟に槇嶋の頭を押し返そうとしてくるがお構いなしにねっとりと口の中にあるものを舐め上げた。
 左手でもう片方を軽くつまんだりして揉み続けながら、もう片方で舌先の愛撫を続ける。
 吸い上げてみれば、これまで鈍い反応しかなかった佐野の身体が微かに震えた。

「どうした?」
「……別に」

 変化に気づきあえて声をかければ、認めたくないのか。佐野は枕に預けた頭を背けてなんてことないように振る舞う。その意地を張る姿が堪らなく、槇嶋は内心でほくそ笑みながらも今度は場所を変え左の方に舌を這わせて右に手を向かわす。
 涎を使いぬるぬると舐めてあえて時折音を上げるように吸う。もう片方は甘やかした分、今度は少し痛みがある程度摘んだり押しつぶしたりこねくり回した。
 乳首の周りにも唇をつけたという印を残しながら、時には左右の相手を交代しながらしばらくそこを集中して愛でてやる。
 槇嶋がようやく顔を起こした頃、睨みつける真っ赤な顔と目が合った。口元を右手の甲で覆いながらわなわなと身体を震わしている。

「……おっぱい星人」

 やけに熱っぽい息を吐きだしてから、そうぼそりと佐野は呟いた。

「覚えとけよ、その言葉」
「えっ」

 思わぬ返事だったのだろう。槇嶋が狼狽えるとでも思っていたのか、佐野は動揺した声を上げると、己を抱きしめるようにして濡れそぼりつんと立ち上がってしまったそれらを隠す。
 その姿はその姿でそそられるものがあったが、槇嶋は今を好機と捕え、無防備な下半身に手を伸ばし、ベルトを素早く外した。遅れて反応を見せた佐野に妨害される前に、一気に服を足から引き抜く。
 露わになった下着には想像通り膨らんでおり、さらには先走りによる染みができていた。

「胸、気持ちよかったのか?」
「なっ」

 言葉を失う佐野を尻目に窮屈そうにするそれを下着をずらして解放してやれば、勃起したものが勢いよく飛び出してくる。案の定濡れている若いそれをまじまじと見つめ思わずにやけた。

「さすが。若者は元気だな」
「う、うるせーっ! しかたねーだろ!」

 下半身を間近で見つめる頭を、真っ赤な顔のまま佐野は手で押し戻そうとする。その手を取りながら身体を起こした槇嶋は、掴んだ手首を自身のまだ服を着たままの下半身へと導いた。

「まあ、おれも人のこと言えないがな」

 服を押し上げ興奮を示す自身のものに佐野の手を押し付ける。口をきゅっと結び、騒ぐことを止めてじっとそこに目を向ける彼の額に唇を落とした。

「我慢してたのはおまえだけじゃないんだからな、和也」
「っ、あ……」

 名を呼べばますますかたまってしまった姿に苦笑しながら抑えつけていた手を離してやる。
 解放されると、佐野は寝かせていた身体を腹筋だけを使って起こし、槇嶋にキスをした。首裏に腕を回し引き寄せ、舌を差し込む。

「っは――」

 槇嶋の舌に絡みつき、吸いつき、深く重なろうとする。目を閉じ夢中になって口を合わすその表情を薄目を開けながら見つめた。
 やがて離れていく口元を最後まで見つめていれば、二人を繋げていた、交わった名残の細い糸がふつりと途切れて佐野の口の端に垂れたように張り付く。それを舐めとってやりながら、随分と熱っぽい眼差しを向ける彼に問う。

「それで、おまえはいつになったらおれをせんせーじゃなくて名前で呼んでくれるんだ?」
「……気が向いたら、な」

 佐野は槇嶋をいつまで経ってもせんせーと、高校生時代と同じくそう呼ぶ。それは、自身は散々にせがみ苗字ではなく名前で、佐野ではなく和也と呼ばせるようになっても変わらずだった。
 槇嶋の下の名を知らぬわけではないが、どうも気恥ずかしいらしい。本人はそうは言わないがわかりやすい分見ていればわかる。
 二人はもう教師と生徒という縛られた立場でない。だからこそ自分も恋人の名を堂々と呼べるし、ならばこそ名前で読んでもらいたいと思うが。無理強いするつもりなど毛頭ない。それでもやはり少し残念に感じてしまうのは、仕方ないと許してほしいところだ。
 そうか、と苦笑した槇嶋を見上げた佐野は一度ゆっくりと瞬いた。
 名前を呼ぶ代わり、とでもいうように再び背を浮かすと、槇嶋の右肩に軽く噛みつく。薄らと歯形がつく程度のそれを残し、肌を舐め、それから唇を当ててちゅうっと吸い上げた。
 顔が離れていくと、佐野はそのままベッドへ身を預ける。肩に目を向けてみれば、そこに薄くではあるが歯形とやや赤みがかった痕が残っていた。
自身の胸に槇嶋が散らしたそれらと比較し、佐野は不満げに眉を寄せる。

「せんせーみたくつかねー」
「練習すればいいだろ」
「……ん」

 お手本となるよう同じく肩にそれをつけてやった後、ベッド脇にある引き出しに手を伸ばす。そこを開いて取り出したのは、チューブに入ったローションジェルだ。佐野が勝手に置いていき、時折自分で後ろを慣らす時に使っていたものである。ついでにコンドームを箱ごと取り出せば、視線で槇嶋の手を追いかけていた佐野が身体を強張らせていた。
 ふたつとも自分が用意し置いていったものに。苦笑しながらも箱は枕元に放り投げ、代わりにそこにある枕を掴み引き寄せる。

「枕挟むからな」

 一声かけてから半分に折りたたんだ枕を、佐野の腰を持ち上げその下に差し込んだ。必然的に槇嶋に後ろを晒す体勢となる。
 羞恥からか、佐野は身体を捩って腕で隠しながら顔を背ける。薄暗い部屋の中でも見える真っ赤になった隠しきれない耳に、高ぶる自身をどうにか宥めつつ、ジェルの蓋を開けた。

「痛かったら無理せず言えよ」
「ん」

 チューブを逆さにし、右手にとろみのあるそれを垂らしていく。溜まったそれを今度は立ち上がる佐野のものに垂らした。
 自分の右手にも十分にジェルを絡ませながら、肝心の穴の方にも液を上から流していく。冷たいのか、薄い腹がひくりと動いた。
 ある程度まで濡らし、蓋を開けたままチューブを適当に放り投げる。顔を背けたままの佐野に声をかけた。

「指、入れるからな?」

 顔を背けたままではあるが、小さな頷きを確認する。
 槇嶋も意気込み、しかし決して傷つけぬよう、ジェルに縁を濡らすそこにゆっくりと中指を挿入していった。

「――っ」

 佐野が息を飲む。下半身に力が入ったのが触れる場所から伝わりきつく指が締め付けられるも、ぬめりのおかげで奥へと進んでいく。指一本ではあるが、まだ入りそうだ。
 以前から少しずつではあるが、佐野が自ら慣らしてくれていたおかげだろう。彼の指が自身の中に入っていくのを目の前で見せつけられたことが何度もあるから確かだ。
 とは言え。槇嶋の指が収まるのは、他人がそこに入れるのは今日が初めてである。
 中指を抜き差ししながらもそこから目を離し、相変わらず目元を隠して唇を結んでいる佐野を見た。

「痛くはないか?」
「……ん、大丈夫。二本までは入る、から」

 佐野はそう言うが、それならばとすぐに指を追加することはない。今日は長丁場になることを覚悟の上で挑んでいる。むしろ相手の言葉を鵜呑みに、無理していることに気づかず傷つけてしまう方が余程不安だからだ。
 しかし、まさか他人の尻の穴をいじくる日が来るとは、誰が想像できただろうか。ましてや自分が好きだったのは女性のはずだったのに。
 言いしれぬ不思議な気持ちになりながらも、だが驚くほどに抵抗はなかった。これまでに触れ合い程度はしてきたからだろうか。それとも初めから実はその気があったのか、相手が佐野だからなのか。
 付け根まで深く押し込んでみる。縁はぎゅうぎゅうに締め付けてくるが、中に進むにつれ程よいものに変わっていく。何より直に感じる佐野の体温が心地よく。
 こんなにも狭いここに自分のものが入るのを想像し、槇嶋は目を細める。

「――二本目、いくぞ」

 中指を中程まで引き抜き、新たに人差し指をそろりと足した。やはり拒むように強い力が入り口で止めようとしてくるが、佐野が深く息を吐けばやや緩む。その隙に差し込み、ずるずると奥の方まで伸ばしていく。
 目元を隠していた腕が下がり、今度は口元を覆っていた。辛いのか眉根が寄っている。
 下半身に目を向けてみればまだ佐野のものは萎えず張り詰めたままだ。痛みは槇嶋が心配するほど感じていないのかもしれないと予想する。現に佐野が眉を寄せたのは、慣れぬ途方もない違和感からだった。
 少しでも受け入れやすくしてやるため、まだ一度も直には触れていない、自身が滲ますものに濡れる佐野のそれに空いている片手で触れようとする。だが途中で思いとどまり、蓋を締めず放置していたローションジェルへ改めて手を伸ばした。
 声をかけぬまま、それをつんと立った佐野の左乳首に垂らす。

「っ、う……?」

 逸らされていた佐野の目が向けられたところで手にした容器を再び放り投げ、その手で垂らしたジェルを肌に塗り込むよう、手の平で伸ばしていく。突起が当たってもお構いなしに気遣わず動かせば、指が収まる場所がきゅうっと締まる。
 槇嶋に反応が伝わってしまったのに気づいたのだろう。佐野は槇嶋を止めようとあまり力の入っていない手で妨害しようとしてきた。ならばと、相手にされずそのままにされていた右の乳首に頭を下す。
 舌先で撫でるように触れ、それから口に含みゆるく吸い上げた。

「――っ」

 吸いついたまま目線を上げ佐野を見れば、戸惑った表情で、しかし顔を赤くしていた。
 左手では押しつぶし、右では口内で舐め上げ。それまでただまっすぐに抜き差しだけしていた指は軽く曲げる。指の第二関節ほどあたりまで潜りこませ届くあたりの、腹側の内壁を擦るように押していった。
 上と下の愛撫を丹念に行っていけば、佐野はどちらかといえば胸の方により反応しているらしい。下の方で槇嶋がしようとしていることには気づかないまま、与えられるそれらを受け流そうと浅い呼吸を繰り返している。
 探していたそれは、そう間もなくして佐野の腰が跳ねたことで見つかったのだと知らせてきた。

「ぅ、あ……!?」

 指先で感じるしこりを再び押し上げてみれば、再び細い腰がびくりと震える。慌てて口を押えた佐野だが、再び、堪えられないといったように声を上げた。

「な、に……っ、は」

 自身の変化に戸惑い、妨害していた片手を縋るように槇嶋の肩に置く。もう片方の手の甲で口元を抑えるが、内壁を擦り上げる度にくぐもる嬌声のようなものが零れた。
 ようやく胸から口を離して頭を起こせば、潤み戸惑いを露わにする瞳と視線が重なる。

「前立腺、気持ちいいか?」
「ぜん、りつ、せん……? んあっ」

 反応が答えを教える。指への締めつけもそこを擦る度に強くなった。だがそれでなく、縁がひくりと動きを見せる。
 立ち上がる佐野自身からもとろりとさらに蜜が溢れては幹を伝い滴り落ちていく。
 まるで指を飲み込もうと動こうと、自身の身体が動いていることに気づかないのか。佐野は戸惑いを強くして槇嶋を見上げた。

「せ、せんせー。そこ、変になる、からっ。あんま、いじん、なっ、ぁ」

 変になる、という場所を擦ってやればその度に言葉が途切れる。溢れる快楽を受け流しきれず息を飲む姿は動揺を隠しきれずにいて。その瞳も、どこか不安げで。
 これまで佐野は自ら、そこを解したことがあるはずだ。それでも明らかに初心な反応に疑問が浮かぶ。
 もしかして、と槇嶋も困惑をはじめながらも問いかけた。

「おまえ、前立腺いじったことないのか?」
「あ、ある、けど……」

 動きを止めてやれば、詰めていた息を吐きだしちらりと槇嶋を流し見る。すぐに視線はそっぽを向いてしまった。

「触った、ことは多分ある。でも、そんなよりケツの違和感がすごくて、指はいてーし……今みたいになんか、腹の奥がぎゅうってなる感じなんて、なかったし」
「要は、自分でやってても気持ち良くなかったってわけか」
「――うん」
「それなのに、迫ってきてたのか」

 ああ、これはまずい。
 槇嶋は静かに喉を鳴らした。そうとも気づかず、佐野は汗ばむ首筋を見せつけながら涙目を細めて続ける。

「だって、せんせーのこと気持ちよくさせられたら、ずっとおれを傍に置いてくれるかなって。それに、せんせーだってただの触り合いっこより突っ込めた方が、いいと思って」

 つまりは槇嶋を捕まえておくため、というわけだ。
 自身で解す段階で快楽が得られなかったというのに、決して気軽に扱っていい場所ではないのに。それなのに槇嶋のために無理をしようとしていたということか。
 深く息を吐く。呆れられたのかと恐れる瞳を向けてきた佐野と目を合わせると、彼の中に埋めた指を再び動かす。無論狙うは、変になるその場所だ。

「っ、は」
「おまえ、そうやって無自覚に煽るの得意だな」
「な、に? 今、なんて……っう」

 ぼそりと呟いた声は幸いなことに、慣れぬ強い快感に耐える佐野には届かなかったらしい。
 ただ恐れる必要はなにもないのだと教えるために額に唇を落とし、ひくつく穴を更に拡げるために指を動かす。

「ぁ、う……っは」

 槇嶋の下で、佐野はただ身体を震わすばかりだ。
 声を抑えるためか唇を噛みしめているとこに気が付き、諌めるために舌先でそこを突く。しかし一向に歯を食いしばったままでいるため、一際強く指先のしこりを押し上げた。

「――ッひ、ぐ」

 瞠目した佐野の肩がびくりと大きく揺れる。咄嗟に開いた口から舌をねじ込んだ。
 さすがに槇嶋の舌を噛むわけにはいかないと歯は立てずに押し返そうとしてくるも、中を擦れば芯が抜けたように抵抗の力が弱まる。
 しばらく指を抜き差ししていれば、不意に佐野が顔ごと逸らした。粗い息を吐きながら間近にある槇嶋へ今にも涙がこぼれそうな瞳を向けると、端から涎が垂れた口元が動く。

「せん、せ、ぇっ……ま、前、いじ、って」

 立てた両膝の間に槇嶋の乗り出した身体があるというのに膝をすり合わせようとしたのか、わき腹が挟まれた。
 まだ開発途中である胸の突起や奥のしこりでは決定打の快感にはならないようだ。達したくて堪らないのにあと一歩が足りず生殺しのような状態にされていた佐野は、耐え切れず槇嶋に泣き縋る。
 息を飲んだ槇嶋は、左手で佐野のものを掴み少し強いくらいの力で軽く扱った。それだけで声を上げようと開いた口に己の口を重ね塞ぎ、呼吸ごとすべて飲み込む。

「っ、っぅ――むぅ、んーっ」

 限界が近かったせいか、佐野は呆気なく精を放った。口を離してやれば喘ぐように大口を開け酸素を吸いこむ。
 腹には佐野自身が放った精液が飛び散っていた。より濃い匂いが漂い、大きく槇嶋の理性を揺さぶる。

「……三本目、行くぞ」
「ちょ、ちょっとま、ッ」

 呼吸が整いきらないうちに、狭い場所へ更に三本目となる薬指を挿入する。佐野も初めての数に多少痛むのか顔を顰めていた。
 佐野のものから手を離し、彼が放ったものでぬめる手を伸ばして再びローションジェルをとる。指で拡がる縁目がけて足してやりながら前後に動かし、中にも塗りこんでいく。前立腺を刺激してやればとろけた顔になった。
 ある程度濡らして動きがよくなれば、手放した佐野のものを再び握る。
 先程達したばかりだというのに、もう腹につきそうなほどに反り返っていた。その若さに思わず顔をにやけさせる。

「さすが、若いな」
「そ、りゃね。せんせーにくらべ、たらっ。なんたって二十歳だか、ら、っぁ」

 時折ジェルを纏っていない右胸を舐め、所々肌に痕を残しながら、丹念に後ろを三本の指で押し広げていく。
 軽口もすぐになくなり、今度は余裕を失った佐野は彼の方からキスをしながら二度目の吐精を放った。

「っ、は……」
「指がふやけちまいそうだな」

 苦笑しながら締め付けてくる内壁から指を引き抜く。それにすら佐野はか細く喘ぎ、シーツを握った拳を震わした。
 槇嶋は身体を起こし、呆けたようにどこか虚ろげな目で呼吸を整えようとする佐野を見下ろしながら、自身の下半身に手を伸ばした。外されかけたベルトを完全に解き、前をくつろげ、すでに興奮状態に入っているそれを取り出す。
 名前を呼んで顔を覗き込めば、ようやくその時が訪れようとしていることに気づいた虚ろな目に正気が戻った。はっとしたように槇嶋の下半身に目を向け、そしていきり立つそれを見つけ、息を飲む。
 手を伸ばし放置していた箱の中からコンドームを取り出す。袋を噛んで中身を取り出し、両手で装着する。佐野はその様子をじっと見つめていた。
 準備を終え、投げ出された佐野の片足を肩に担ぐ。これまで指が入り込み慣らしていたその場所へ、今度は自身を宛がった。

「力、抜いてろよ」

 浅い頷きとともに首に腕が回される。
 汗で張り付く前髪を掻き分けてやり、そこに唇を落としてからゆっくりと腰を押し進めた。

「――くっ」

 苦しげな声が佐野から漏れる。息を詰めながらも入ってくる槇嶋を受け入れようとどうにか身体の力を抜こうとしていた。しかしうまくいかないようで、表情は辛そうだ。なにより、ぎゅうぎゅうにきつく締めつけてくる力でそれを悟る。
 あまりの狭さに痛みさえ感じた。だが入れる側でこれなのだ、入れられる側の負担は計り知れない。
 それでも、まだ早いようだからやめようか、などと言う気にはなれなかった。佐野が了承しないであろうことは勿論のこと、なにより槇嶋自身こんな場所でのお預けなど我慢できるわけもない。
 彼を思えば、こういう時にこそ年上ぶってゆっくり進んでいけばいいとでも言うべきなのだろう。しかしいつまでも子ども扱いしてやれるほど生ぬるい目だけを向けているわけではない。
 彼の保護者でなく、恋人なのだ。その事実をかたく張りつめた自分のものが教える。

「爪立ててもいいからな」

 少しは気が紛れるかもしれないからと声をかけるも、佐野は必死の表情で首を振り、爪を立てるどころか拳を握り、代わりに力強く槇嶋を自身に引き寄せる。
 徐々にではあるが中に槇嶋のが収まっていく。しかし一向に苦しげな表情を浮かべる佐野に、縮こまり萎えてしまっていた彼のものをゆっくりと扱ってやった。

「ん……は、ぁ」

 ほんの僅かに柔らかくなった中に安堵し、口の端にキスをしながら、慎重にゆっくりと沈めていく。 
 佐野の瞳からぽろりと一滴の涙が流れた時、ようやくすべてが収まった。

「大丈夫、か?」
「っ、せん、せー……」

 繋がりに目を向けてみれば、根元まで入りきっていた。佐野の深くの体温を薄い膜を一枚隔てて感じる。
 自分のものに少しでも馴染んでもらうため、動きを止めて待つことにした。
 動き出したい衝動を堪えるために深く息を吐き、様子を見るために顔を覗き込めば。佐野の涙はさらに滲み溢れこめかみを伝っていく。それらを舐めとれば、佐野は投げ出していた右足と担がれていた左足をそれぞれ内腿から震わしながら動かして腰に絡めた。

「うご、いて」
「まだ辛いだろ」
「辛い、けど、このままの方が、もっと辛い」

 無理をしようとしているのではないかと疑う槇嶋に気づいた佐野は、顔を背ける。真っ赤になった耳を晒していることにも気づかぬままに、もぞもぞと下半身を揺らした。

「中途半端、なんだよ。……っ、わかれよ!」
「くっ――」

 顔は背けたまま、向けられた目できっと睨まれた。そしてそれと同時に下半身に力を込めたのが、中に入る槇嶋のものが強く締め付けられる。
 危うく、持ってかれそうになった。どうにか堪えるも、故意に佐野が不慣れそうにも中をうごめかしては刺激を与えてくるため再び暴発しそうになる。それもどうにか受け流し繋がりに目を向ければ、ようやく蜜を垂らしてまで立ち上がる佐野のものに気づいた。更にはひくひくと縁を収縮しているさまも見てとれ、息を飲む。

「――畜生っ」

 これだけ煽られて、いつまでも理性を保っていられるわけもない。初めてなのだからできるだけ優しく、負担も少なくなるよう紳士的に事を運ぼうと思ったのに。彼のペースに合わせようと、そう思っていたのに。
 細い腰を抱え上げ、埋まった自身を中程まで引き抜くと一気に奥へと穿った。

「っ、あ、あ」

 揺さぶるたびに、突くたびに短く上がる悲鳴じみた声。けれど気にしてやる余裕は最早佐野自らが奪い取ってしまった。
 今度こそ肌に爪が突き立てられる。歯を食いしばり衝撃に耐える本人は気づいていないだろうが、確かな痛みを与えるそれに一時理性が戻ってきた。しかし目の前の熱に浮かされたような顔を見てしまえば、そんなものすぐに吹っ飛んでしまう。

「ぅあ、あっ……っせん、せぇっ……んあ、ぅ」
「わる、いな」

 前立腺を叩けば、一際大きく佐野の身体が震え上がった。

「ひ、ぃ、ああっ! ――や、そこ、はぁっ……ん、あ」

 大きく跳ねた身体に、達したのかと思い佐野のものを見てみれば、どろりと先走りを溢れさせている。片手で掴み先端を抉るよう指を動かせば、とまったはずの涙がぽろりと溢れた。

「せん、せー……ッは、あ、あっ、せんせぇっ」

 喘ぎ声に阻まれながらも、槇嶋を求めて、何度もせんせーとそう呼ぶ。
 涙と涎と、汗と。辛うじて鼻水は出てないもののぐちゃぐちゃのその顔はお世辞にも綺麗とは言えないだろう。だが、確かにそそられる。
 目尻を舐め上げれば、それにすらも過敏になっているようにびくりと肩が震えていた。

「せんせ、ぇ、せんせーっ……」
「徹、だろ。せんせーじゃないだろっ」

 腰を打ち付けながらもはや意識を半ば飛ばしかけている佐野に、これまでに何度も告げたことのある自分の名前を伝える。
 妙に照れているのか、一度も呼ばれることはなかった。しかし今は思考力も鈍っているのだろう。

「とお、るっ、とおる――ッぅん、はぁ」
「は、和也」
「んあ、あっ」

 うわごとのように、初めて口にするはずの名を何度も呼んだ。そして呼ぶたびに熱くとろけた佐野の中が締めつけてくる。
 手をかけていた佐野のものに軽く爪を立て尿道を引っ掻けば、全身を震わせ、三度目の精を放った。

「ひ、あ、あっ、あー……っ」
「――ふっ」

 佐野の吐精の締めつけに、一拍遅れて槇嶋も達した。詰めた熱い息を吐きだし、身体の熱を落ち着かせる。
 繋がりへ目を向けてみれば、絶頂の余韻を引きずっているのか、佐野のものは吐きだした量こそ減っているがだらだらと先走りのように白濁を溢れさせていた。それを見つめながらも腰を掴み直し、中から自身のものを引き抜く。するとまだ離さないといわんばかりに中が収縮するよう動いたため、抜き終わる前に途中でゴムがとれてしまった。
 精液を蓄えながらも半分ほどしか顔を出さないそれを引き抜いただけで、掠れた微かな声が上がる。
 改めて佐野へ顔を向けてみれば、未だにその目は深く閉じていた。
 ぐったりと弛緩した身体をそのままに、動こうとする気配はない。

「おい、和也?」

 再び覆いかぶさるよう身体を伸ばし、軽く頬を叩いてみる。しかし反応はなく、目尻に溜まっていた最後の涙が流れただけだった。
 どうやら失神してしまったようだ。顔も身体もあちこちどろどろになった身体を毛布が汚れることなど気にせず包み込みながら、思わず苦笑してしまう。他ならない己へ向けてだ。

「無理させたな。悪かった」

 意識がないのだから、聞こえているはずもない。それでも声をかけ、腕に抱えた佐野の額に唇を落とす。
 微かにまつ毛が動いたが、やはり目覚めることはなかった。
 起きたら、どんな顔をするだろう。それを想像すればするほど顔は緩んでしまう。とりあえず、どんな反応を示されたとしても謝ろう。つい、ガタが外れて無理をさせてしまったのだから。
 さて。いつ目を覚ますか。その前に佐野の身体を綺麗にしてやり、どろどろになった寝台をどうにかしなければならないだろう。このままではふたりで眠ることも叶わない。
 だがそれよりも何よりも、まず先に伝えようか。

「これからもよろしくな、和也」
「――ん、んん……」

 寝言がまるで、返事をしているようで。
 こみ上げる愛おしさに、堪らず槇嶋は緩く抱えていた佐野を力強く抱きしめた。


 おしまい

 

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簡略プロフィール

攻:槇嶋 徹(まきしま とおる)
34歳→37歳
高校教師。兄貴肌(妹一人)。

受:佐野 和也(さの かずや)
17歳→20歳
高校生→大学生。せんせー大好き。
弟気質(姉一人)。


とりあえずエロ練習せねば、と思い書きだした作品であり、要はエロのためのものでした。
なので別に物語にする必要はなかったのですが、なんとなく教師×生徒もの書きたくなったので今回のようなものになりました。

今回は初挑戦のものが多く、色々と不安でしたがとりあえず書き終わってよかったです。
ファンタジーではない現代もの、(似非)三人称、攻視点のエロということでしたが、一人称受視点のエロよりは思いの外書きやすかったですし、おっぱい星人やらせるの楽しかったです。乳首責めはいきいきとやらせていました。
また、珍しく想いが攻→←←←受くらいの割合風だったのでそういった面でも楽しく書かせていただきました。(最終的には同じぐらいになりますが)

本当でしたらさらっと読める作品、になるはずで、それを目指して書いていたつもりが。結果としてエロがただただ無駄に長くなっただけのような気がします。
かといってこう、濃厚! っというわけではないのでエロエロしているわけでもなく、かといってあっさり読めるわけでもなく……結果として挑戦は惨敗、エロは苦手分野なのだなあと再確認致しましたが……

なんだかんだ前半部の方ばかり楽しんで書きましたが、やっぱり乳首責めも楽しかったので、エロは今後も精進して参りたいと思います。

少しでも槇嶋と佐野の物語を楽しんでいただけたのであれば幸いです。こんなでしたが、エロも楽しめた! と思っていただけたのであればありがとうございます。

ちなみに、ラストで最後にもう一度「好きだよ、せんせー」という佐野の台詞を入れるつもりがすっかり忘れていました。おまけに入れる場所もなく、仕方なくカットせざるを得なかったことが一番悔やまれます……。

ここまでお読みくださりありがとうございました。
ご感想などいただけましたら嬉しいです。

 

2014/05/27