お泊りした日の朝

※ 下ネタ
※ 書きなぐり
※ 一応終わっていますが、中途半端かも。



 ゆっくり浮上してきた意識で、腹の辺りになにかが重たく巻きついていることに気がつく。それが他人の腕だと思い当ったが、その重みに覚えがあるので慌てる必要はない。
 ナギは軽く目を擦りながら、瞼を持ち上げる。
 喉が渇いたので、水を飲みにキッチンに向かおうとベッドから出ようとしたが、腰に巻きつく腕にすぐに引き戻されてしまった。
 ナギをがっちり抱きかかえてしまった背後にいる龍之介を睨むが、どうやらまだ寝ているようで、小さく開いた口からは涎が垂れそうになっている。
 ベッドサイドテーブルにある時計を見れば、まだ起き出すには少し早い時間である。ぐっすり眠っている相手を起こすのはさすがに忍びなかったので、どうにか腕の拘束を緩めようとそこに手を回し、なるべくそっとナギの体から引き剥がそうとした。しかし眠っているくせに力は強く、ナギの指先は日に焼けた肌を滑るばかりだ。
 それがくすぐったかったのか、まるで指先から逃れるように腕の力が強められ、その分龍之介のほうに引き寄せられたナギはより腰が密着する。
 そして腰に感じたかたいものに、びくりと肩が揺れる、
 ちょうど尻たぶが左右に別れようとする辺りに当たるそれは、いわゆる朝勃ちで本人よりも先に元気に起き上がった龍之介のものだった。

「オーマイガー……」

 ぽそりと呟いたナギの声は、龍之介の安らかな寝息のよりも小さかったが、だからといって龍之介の自身は少しも慎ましやかにはならない。
 とりあえず刺激しないように、と腰だけでも離そうとするのに、龍之介の腕が邪魔をして上手く動かせず、それが当たったまま腰を揺らしてしまう。それがいけなかった。
 刺激に反応したのか、ナギが離れたがっていることに気がついたのか、なんであるかはわからないが、うー、と唸った龍之介は背を丸めてナギの項に顔をすり寄せた。
 しばらく猫が飼い主に体をすりつけるようにぐりぐりとして、満足したのか、はあ、と息をつく。その吐息がやけに熱いし、おまけに腰の熱も妙に強く感じてしまう。
 耐え切れなくなったナギは、思いきり後ろにいる龍之介に後頭部での頭突きをした。

「いい加減起きなさい――っ」
「……った」

 ナギ自身にもダメージとなって返ってくるが、その甲斐もあってようやく目覚めた龍之介が、欠伸をしながら目を開ける。

「あー……あれ……? ナギくん、もう起きてるの? 珍しいね。先に目が覚めてるなんて」

 ナギは脳に響く痛みだったのに、龍之介はそれほどつらそうではなく、ぽやっとした顔のままわずかに体を起こして肩越しにナギの顔を覗き込んだ。
 ギッとナギが睨んでも、ただぼけっとした顔で首を傾ばかりだ。

「いつまで寝ぼけているのです! 早く放しなさいっ」
「え……? あ……わあっ!? ご、ごめんっ」

 すぐには反応がなかったものの、徐々に覚醒したらしい龍之介はようやくナギを手放した。
 解放され、すぐに龍之介と距離を取る。そんなナギの態度に自分が寝ている間になにかをやらかしたことを察したのだろう。しかし、見当はついていないようで困惑していて、おまけに股間のものも落ち着かないままのようだ。
 少し距離を置くことで気持ちを落ち着けたナギは、じっと龍之介の股間のふくらみを見つめる。

「……いつも、そんなになっているのです?」

 ナギ自身もないわけではないが、もとの大きさの差なのか、個人差なのか、龍之介のもののように激しい主張をすることはない。
 いつも龍之介が先に起きているので、これまで何度もともに朝を迎えてきたが、龍之介のそれの状態を知るのは初めてだった。
 ナギの視線を辿り、合点のいった龍之介は、あちゃーとでも言いたげに片手で額を押さえた。

「いつも、ご自分でおさめているのですか?」
「……え? ま、まあ……そう、だね……」

 下半身事情であるからか、言葉を濁す龍之介にナギは提案する。

「せっかくワタシも起きていることですし、たまにはお手伝いしましょうか?」
「……え?」

 ぽかんとする龍之介に、ナギはくすりと艶を混ぜて微笑んだ。
 主導権を握られるのは敵わないが、自分が優位に事を運べるのであればナギは積極的だ。それを知る龍之介は、申し出が冗談でもからかいでもないことに気がつき、まだ日も出てない時間だというのにごくりと生唾を飲み込んだ。

 おしまい

 2018.6.24

 

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