岳里と真司の転生

 

本編後、岳里と真司は今後も続く選択の時の役割を持つ人々の案内人となります。ヴィル同様何度も生まれ変わることができて、必ず二人は巡り合うという運命が決定づけられてもいます。

7度目の選択が訪れたとき(真司たちの時は6度目。真司たちがきたときはまだ選択が起きるべきタイミングではなかったのですが、実は本当ならそのしばらく先の未来で本当に選択の時が起こるはずでした。しかし、エイリアスによって人々の繁栄は妨害されそれが立ち消え、実質真司たちのものが6度目となりました)、先に生まれ変わったのは真司でした。7番隊隊員として働く中、とある女性の出産に立ち会い、そこでおぎゃーと産まれてきたのが岳里です。

岳里とともに選択の時を見守りまもり、無事に終わらせることができましたが、その後岳里が先に若くして亡くなり、またも真司を置いていきます。
そのことを激しく悔いた岳里は、神に取引を持ちかけ、魂の摩耗を抑えることも目的として二度目の転生で竜に生まれ変わります。竜は長寿である上に強力な魔法の使い手でもあり、いわばほとんど敵なし。1度目の人生は竜人としての短い寿命、2度目は戦闘での怪我が原因で亡くなったがための竜です。
そして竜であれば古代の魔術も扱えます。真司自身も強大な治癒の魔力持ちであるため、二人の魔力を合せて真司を不死に近い存在にします。ディザイア最後の竜とそのつがいとして、最終的にはディザイアの補佐をしながらのんびり人々を見守っていくという、そんなその後を想像しています。

2度目の転生で竜になり、人より遥かに長い寿命を得た岳里と、岳里の力によって同じだけの長寿になる真司は、途方もない時間を二人で過ごしてようやく、神とエイリアスが友である竜の存在がいかにかけがえのないものであったかを実感し、彼らの真の理解者となっていきました。

ここからはふんわり考えている程度ですが……ディザイアでは寄り集まった願いの持つ力はとてつもないものを生み出す力があるわけで。竜となっても命に限りがあることは代わりないけど、もし、岳里と真司と関わった人々が、ディザイアが、二人が命に限りなくともにいられることを願ってくれたなら。神とエイリアスが、人々の営みに焦がれたなら。神さまの世代交代もありえるかも……?

いずれは選択の時も消えるシステムで(もともとは神の力が回復するまでのもの。六度目の選択の時にエイリアスと対峙して、再び大きく力がそがれてしまった)、岳里たちはお役目を終える日が来るわけですが、お人好しの二人なら、今度はディザイアに自由をあげることも、ありえるかもしれないこともないかもしれない……? まだまだ単なる思いつきですが、この世界ならできないこともない未来な気もします。
いつか、ずっとずうっと遠い未来のディザイアの世界の物語を書いてみたいです。もう世界の名称さえも様変わりしているなかで、そこに脇役としてとある二人をひっそりと出すような。私だけが楽しいやつですが!


竜人の起源ネタ
考えているうちに、竜の発情は何百年に一度かな →人の身で受けるのは大変そう →毎月一回くらいの壊さないよう小分けして発散することくらいあいつならできそうだな →隊長していても、前例(ヴィルたち)持ち出して確実な休みを獲得して楽しむんだろうな…… →結局人の身では大変では? →人の身といえば、竜人のはじまりって…みたいな下世話な連想から、最終的には神さまたちに生身の身体を与える方法までたどり着きました(笑)

神ディザイアは人々の願いによって生まれたもの。だから、心より望むのであれば神であることをやめて人間にだってなれるはずで、望まれるのであれば神に代わる存在にも。