おいしい匂い
本編完結後 家に入ったウォルは大荷物を床に置くやいなや、ふうと大きく息を吐いた。「やっと家に着いたあ!」「おかえり、ウォル」「うん、ただいま。エンもおかえり」「ただいま」 同じく背負っていた荷を下ろしたエンの目尻に唇を落…
続きを読む →本編完結後 家に入ったウォルは大荷物を床に置くやいなや、ふうと大きく息を吐いた。「やっと家に着いたあ!」「おかえり、ウォル」「うん、ただいま。エンもおかえり」「ただいま」 同じく背負っていた荷を下ろしたエンの目尻に唇を落…
続きを読む →J庭54 無配本完結から六年後のお話 用を済ませたエンは町の広場まで足を運び、空いているベンチに腰を下ろした。 抱えていた荷物を脇に置き、一息つきながら広場の中心に目を向ける。 視線の先には広い遊び場を元気に走り回る五人…
続きを読む →2023.10.8 J.GARDEN54に出す予定の本のサンプルです。スペース【Restart】よ04a文庫/R18/244P(予定)/価格未定(サンプルは完成ではないため、加筆修正を行うこともあります)【魔女のつがい】…
続きを読む →早く、早く見つけないと――。 帰路に就く者で溢れかえる道のなか、彼らを避けながら急いていく。しかしどうも足元が覚束かない。しっかりと歩いているつもりなのに、地面を踏みしめている感覚がひどく遠いのだ。 しかし…
続きを読む →「ラジルよ、わたしのためにセツに惚れてくれ」 敬愛してやまない主の第一声に、ラジルは一瞬思考が停止した。「――へ、陛下……今、なんと……」「わたしのために、おまえにセツに惚れてほしいのだ」 求めた詳細は悲しい…
続きを読む →根元から切り倒されて横に積み重ねられた生木は、成人女性の腰より太い。デクは枝を落としただけのその丸太を両手で掴み、全身に力を入れて肩に担いだ。一人では持ち上げられることさえ容易ではない四メートルほどもある木…
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