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  肩を並べて座っていた二人だったが、ルトが鼻先を寄せてヒューの耳裏をふんふんと臭いを嗅いできた。「ちょっ、ルー!」「なんだよ」「な、なんだよって……」 慌てて退けようとするが、手で顔を突っぱねられようとしても…

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  仰向けになったヒューを抱え上げ、大きく膝を割らせて胡坐を掻いたルトの上に乗せられる。 力は入らないので、身体のほとんどはルトに預けて支えてもらった。「さっきのほうが楽だろうが、おまえの顔が見たい」「ん、オレ…

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 「わっ」 足の間のものに視線が注がれ、一気に顔が赤くなる。 話をしているうちに少しは落ち着いたものの、興奮が収まったわけではないそこは布地を押し上げ、先走りで生地が色を変えていた。 鼻を寄せられ、すんと匂いを…

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  そっとベッドに寝かされながら、与えられる深いくちづけに夢中になる。 自分からも舌を伸ばすが、倍近く伸びるルトの舌先に翻弄されるばかりだ。「ん、ぅ、んんっ……」 ヒューだってルトを気持ちよくさせたいのに。伸ば…

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  何度も何度も拳を叩きつける。力は籠めているけれど本気ではないし、豊かな被毛に包まれるルトの身体に大してダメージを与えることはないが、衝撃がすべて吸収されるわけではない。でもルトは黙って受け入れた。「もう本当…

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  ソファに座らされたヒューは落ち着きなく周囲を見回す。 ルトが引っ越してから、初めてこの家に入る。ものが少なく整理された部屋はルトらしく、実家の彼の部屋によく似ていて不思議な既視感を覚えた。 テーブルに置かれた読みかけ…

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  とにかく開放されたい一心で、気持ち悪かったが鼻に噛みつきもしたのに力がゆるむ気配はない。 抵抗もむなしく引きずられようとした時、建物の影から行く手を阻むように二人の獣人が現れた。 その姿を見ただけで、涙が出そうなほど…

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  ルカは家まで送ると言ってくれたが、店もあるし、何よりお腹にもうひとつの命を抱える彼女を不要に歩かせるわけにはいかない。 ただでさえ蜜夜の影響でどんな事件が起きるともわからないのだからと言うヒューに、「だから…

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 「ちがうよ、ヒュー。それは全部、ルトのせいだから。あなたに悪いところなんて何もない」「ルーの?」「その、なんて言ったらいいか、ちょっと言葉に迷うのだけれど……」 詳しくその根拠は言えないらしいが、でもルカがこんな風には…

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 「そういえば、キリトがルトに相談しにきてたけどルカは話聞いてる?」 不自然過ぎる話題の切り替えに、ルカは何も言わずに頷いた。「聞いているよ。あの出稼ぎに来ている若い二人組のことでしょう?」 キリトとルカは一昨年に結婚し…

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