扉をノックすると、中から返事が帰ってくる。 二枚扉を押し開け中に入ると、この部屋の主である王と彼の獣人であるネル、そして先程会ったばかりの岳人と真司、そして彼らの息子であるりゅうが揃っていた。 去り際王の私…

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 ノックの音にすぐさま、どうぞ、とフロゥが入室を許可する。「お邪魔します」「あっ、真司さんに岳里さん!」 開いた扉から顔を出した真司と岳人に、フロゥは満面の笑みを見せた。 つられるよう真司も顔を綻ばせるが、続いてぬっと現…

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  アロゥの死去より、二週間が経過した。一か月は喪に服すことになっているが、人々の悲しみも少しは落ち着き、皆に明るさが戻ってきていた。 アロゥの死後、誰しも慌ただしく仕事に追われていたのもあっただろうが、次ぐ噂…

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  弟子のフロゥに見守られ、アロゥは静かに息を引き取った。 明け方に起きた偉大なる魔術師の逝去の知らせは瞬く間に伝わり、彼を深く信頼していた王や同僚だけではなく、国民まで深い悲しみに包まれた。 三日かけて人々は…

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Clumsy

本編完結より数年後  いつもの隠れ場で仕事をさぼり昼寝に勤しんでいたハヤテは、大きな欠伸をしながら廊下を歩いていた。 そこに多くの部下を従える隊長の威厳はかけらもなく、寝起きの瞼はいかにも重たげで、ただでさえ目…

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  アロゥとルーフィアが恋仲となるまでに然程時間はかからなかった。仕事の合間を見て二人は逢瀬を重ね、想いを深めていく。そしてルーフィアがアロゥの子を身ごもったのは、二人が出会ってから一年ほどが経った頃だった。 …

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  ルーフィアとは口裏を合わせ、彼女を抱いたことにした。ヴァルヴァラゲーゼ王にはそう報告し、国王を騙ったこととその喜びを裏切ったことへの罪悪感を微笑の下にひた隠す。久しぶりであったから腰が重い。しばらくは休ませ…

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魔術師アロゥの過去のお話。※NLです。BL要素は一切出てきません。また、世界ディザイアの女性の立場について書かれている場面もございます。差別や出産の道具のように扱われている等説明していることもありますので、ご注意ください…

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